GWの天体観測(銀河)

(photo Chiaki, retouch & text Izumi)

天体観測

GWの天体観測。今回は銀河編です。
前編の星雲はこちらから見られます。

銀河はたくさんの星やガスが集まってできています。強い重力によって中心に引き寄せられ、楕円状や渦巻状になります。私たちの住む地球も銀河に属していて、「銀河系」と呼ばれており、夜空に見える天の川は銀河系の断面を見ていることになります。夏は銀河系の中心方向が見えるので、夏の天の川は大変明るく見えます。


M51(NGC 5194, NGC 5195)

M51 は、ひしゃく形状をしている北斗七星の持ち手部分にある二つの銀河の総称です。持ち手の先端部分からりょうけん座の方向に少し行くとあります。二つの銀河からなることから、「子持ち銀河」と呼ばれています。上側に位置する、綺麗な渦巻き形状に見える方が NGC 5194、下側に位置するのが NGC 5195 です。


M101(NGC 5457) 

M51 と同じく北斗七星のひしゃくの持ち手付近にあります。りょうけん座と逆方向に探すと見つけることができます。M51 も M101 も円盤状の正面が見えているので、銀河が円形状になっています。このように円形状に見える銀河を、フェイスオン銀河と呼びます。正面からではなく側面から見る銀河は、棒状に見え、これをエッジオン銀河と呼びます。


M66銀河群 トリプレット銀河

しし座の後ろ足の太腿あたりには、3つの銀河があります。これをトリプレット銀河と呼びます。写真右上が NGC 3628, 写真下が M66, 写真左が M61 です。右上の NGC 3628 は円盤銀河を真横から見ているエッジオン銀河です。拡大すると、中心に黒い線が見えますが、これをダークレーンまたは暗黒帯と呼ばれており、円盤の赤道面にダストが集積したものです。


NGC4565 ニードルギャラクシー

NGC4565 は、代表的なエッジオン銀河です。かみのけ座にあります。細長く針のように見えるため、ニードルギャラクシーと呼ばれています。ところで、NGC は New General Catalogue of Nebulae and Clusters of Stars の頭文字の最初の 3 文字を取ったもので、1888 年にドライヤーが発表した天体リストのことです。今回使った架台 AZ-GTi には NGC が全て追加されていますから、NGC 掲載番号をスマホや PC から指定するだけで、お目当ての天体に望遠鏡を向けてくれます。とても便利な時代になりました。


おわりに

春は銀河の季節と呼ばれます。銀河系の星が少ない方向を地球が向きますので、銀河系の外の天体を見やすくなります。この機会にたくさんの銀河を見れて良かったです。


撮影機材

前回の星雲記事と機材は一緒です。星雲写真はレタッチが難しいのですが、銀河は背景とのコントラストがはっきりしているのでレタッチが比較的簡単です。SharpCap Pro でコンポジットした画像を PNG で書き出し Lightroom に取り込んでいます。野鳥写真では Lightroom の AI ノイズ除去をよく使うのですが、PNG で書きだした画像には適用できないようです。非常に強力なツールなので、どうにか使えるようにできないか模索してます。RAW のままコンポジット → AI ノイズ除去なら使えるのかもしれませんが、そこそこな PC の計算力を必要とします。

鏡筒SV503 70ED F6
レデューサーケンコークローズアップレンズ No.4 (合成焦点距離:365mm)
架台AZ-GTi
センサZWO ASI294MC
フィルターZWO UV/IR cut, ZWO Duo Band Filter
設定ゲイン390, ダーク減算, 露出 16 sec, 25 ~ 30スタック
レタッチソフトSharpCap Pro, Adobe Lightroom Classic

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