マダガスカルといえば、ユニークな生き物がたくさんいますが、その中でも特に不思議なのが、インドリ(Indri indri)という、マダガスカルにしか生息しない特別なキツネザルの仲間です。
インドリとは?
インドリは、体長60〜70cmの大型のキツネザルの仲間で、尾が短いのが特徴です。黒と白のはっきりした毛並みと大きな耳が特徴で顔のシルエットはミッキーマウスのようです。お顔はよく見ると鼻が長く、クマのようにも見えます。最も目を引くのはその歌声のような鳴き声で、朝の森に響くその音は「森の歌声」とも呼ばれます。この鳴き声は群れ同士のコミュニケーションや縄張りを主張するために使われています。
インドリの生態
インドリは基本的に核家族で群れを作って生活します。彼らの縄張りは広く、一つの家族で東京ドーム5個分もの広さを必要とします。あまりに縄張りが広いのと、木の高いところで生活しているため、群れを見つけるのは容易ではありません。また木から木へジャンプして移動するので、追いかけるのも困難です。
インドリを探して
私たちはインドリを探して、マダガスカル東部のぺリネ国立公園周辺を訪れました。早朝、インドリが餌を探して動き回るタイミングが勝負です。ガイドさんと共に朝霧のかかる山に入りました。
森の中をインドリの鳴き声を頼りに歩いていきます。上を見上げながら歩くので、たくさんのランが着生しているのが見えました。
マダガスカルサンコウチョウもいました。
インドリの鳴き声は登山道から外れた方から聞こえてきました。ガイドさんが道のない方へ進む判断をしたので一生懸命について行きました。
草木をかき分け山の斜面を登ると、ようやくインドリの姿が見えました。高い木の上の方にいるので、双眼鏡や望遠レンズで下から見上げる感じです。白い体に黒い手足です。
インドリも私たちに気づいたようです。どこかの神話に出てきそうな神秘的な見た目をしていました。
私たちのことをちらっと見た後は、私たちのことは気にせずのんびりしているようでした。もっと崇高な何か遠くのものを見つめているようでした。
終わりに
インドリに出会うのは簡単ではありませんでしたが、その分、見つけたときの喜びは格別でした。皆さんもマダガスカルを訪れる機会があれば、ぜひインドリを探してみてください。その声と姿に、きっと心を奪われるはずです。
撮影機材:Sony α7 IV, FE 200-600mm F5.6-6.3, SIGMA 24-70mm F2.8
現像ソフト:Adobe Lightroom
旅の手配:ARICS TOURS 黒川さん
観察時期:2024年1月
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