アンカラファンツィカ国立公園の生き物

(photo & text Izumi)

 日本を出発し、マダガスカルの首都アンタナナリボに着きました。まずはここで一泊したあと、翌日の飛行機でアンカラファンツィカ国立公園を目指しました。珍しい生き物をたくさん見ることができました。

首都アンタナナリボからマジュンガへ

首都アンタナナリボの朝はベニノジコから始まりました。宿の周りでたくさん見られました。午前中はアンタナナリボを観光し、午後の飛行機で北西部の都市マジュンガに飛びました。

国内線ターミナルは国際線と違って質素です。プロペラ機まで歩いて向かいます。Madagascar Airlines の国内線子会社の Tsaradia という会社の飛行機でした。Tsaradia は「良い旅を」の意味です。Tsara が「良い」という意味で、便利な言葉らしいです。天気も良く、わくわくした気持ちで出発しました。

到着地のマジュンガは、海沿いにある街で、ヨーロッパの方も休暇にくるような場所だそうです。船釣りも盛んだそうで、わたしたちも滞在中に船に乗る予定でしたが、サイクロン襲来で中止。残念ですが、また来ます。


アンカラファンツィカ国立公園

マジュンガからアンカラファンツィカ国立公園まで車で 約 4 時間 120 キロの道のりでした。広大なマングローブや河岸段丘の雄大な景色を見ながら公園に到着しました。マダガスカル西側ということもあり、熱帯乾燥林が広がっている国立公園です。住民参加型の自然保護を目指しており、政府から委託された地元住民が森林伐採の監視、観光ガイドの仕事をしています。

アンカラファンツィカ国立公園と京都大学は関係が深く、いつも京大の研究者が滞在しています。私が訪問した時は学生含め 5 名の方が生活していました。みなさんテント暮らしです。半年テント生活を続けながら研究するのは、本当に尊敬しますね。


アンカラファンツィカの生き物

それではアンカラファンツィカで見た生き物を紹介していきます!

森には現地ガイドと一緒に入りました。国立公園にはフランス人観光客もいました。私も含め冬の北半球から来たので暑さに体が慣れておらず、熱中症に注意が必要です。実際に動けなくなっていたフランス人の方を見かけました。ちなみに森の中はこんな感じ。


コクレルシファカ(Coquerel’s Sifaka)

国立公園に着いて最初に出迎えてくれたのはコクレルシファカの家族でした。いつも同じ家族が公園事務所の周りにやってくるそうです。

インドリ科シファカ属の動物でキツネザルの仲間です。シファカの仲間は直立姿勢で木につかまっています。木から木へ移動する際も直立姿勢のまま後ろ足を強くけってジャンプします。ここでも数メートル先の木へひょいひょい飛び移っていました。黄色い目が印象的です。目力があります。


ウスタレカメレオン(Furcifer oustaleti)

マダガスカルに生息する大型のカメレオンです。最大 70 cm にもなります。訪問した時期はちょうど繁殖期だったので、パートナーを求めて歩き回るウスタレカメレオンを多く見ました。マジュンガから国立公園に来る道中でも、道端をカメレオンがてくてく歩いていました。思ってたよりすばしっこく動きます。人間を見るとすたすた逃げていきます。


ヒメカメレオン(Toothed leaf chameleon)

学名:Brookesia dentata 写真のサイズで大人です。女性の第1関節より小さいです。寿命は1年、卵で乾季を乗り切ります。虫に近い生活史ですね。落ち葉の中で暮らしていて小さな虫を食べていると考えられています。

寿命 1 年という脊椎動物とは思えない暮らしをする生き物がいると聞いてから、ずっとヒメカメレオンの仲間を見てみたいと思っていました。希望がかなって感無量です!帰国するまでに他にも 2 種類みることができました。ちなみに、指 1 本くらいのサイズになる比較的大きなヒメカメレオンは、時たま日本国内のレプタイルショーなどで見かけますが、ここまで小さい種類はマダガスカルに来ないとみることができません。


マダガスカルサンコウチョウ(Malagasy paradise flycatcher)

日本でも人気の高い三光鳥の仲間で、マダガスカルやコモロ諸島に生息しています。アイリングは派手な水色で日本のサンコウチョウと同じですが、体の色がオレンジがかった茶色です。写真はオス。地域ごとに羽の長さや模様が違うのが面白いです。


マダガスカルヤツガシラ(Madagascar Hoopoe)

ヨーロッパからアジアにかけて生息する普通のヤツガシラとは違い、マダガスカルのみに生息する留鳥の鳥です。普通のヤツガシラに比べるとやや色が薄いような気がしました。地面に降りて虫などを食べます。集中したり、興奮したりした時の頭の羽がきれいでした。


撮影機材

他にもたくさんの生き物を見ました。1 回ではとても載せきれないので、また今度、ヘビや鳥をまとめた記事を作りたいと思います。アンカラファンツィカ国立公園は、たくさんの種類の鳥がいる公園でした。乾燥林で鳥の姿も見やすく、観察にはもってこいの場所です。ぜひもう一回長く滞在したいです。

撮影機材:Sony α7 IV, FE 200-600mm F5.6-6.3, SIGMA 24-70mm F2.8, iPhone 14 Pro
現像ソフト:Adobe Lightroom
旅の手配:ARICS TOURS 黒川さん
観察時期:2024年1月


アンカラファンツィカの Google Map

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