マダガスカルのヒメカメレオン

マダガスカルの小型カメレオン

前回に続き、マダガスカルで出会ったカメレオンを紹介します。前のをまだ見られていない方は先にこちらをどうぞ!

今回は小型のカメレオンの写真をたくさん載せていきたいと思います。小型と言っても皆さんが想像するよりずっと小さい超小型のカメレオンです。それらをヒメカメレオン(Brookesia)と呼びますが、小さい種類でわずか体長 2 cm しかありません。小型のヒメカメレオンの寿命は1年と言われ、卵で乾季を乗り切る生活をしています。

そんな不思議に満ちた生き物ですが、今回 3 種類のヒメカメレオンを見ることができました。


シュトゥンプフヒメカメレオン(Brookesia stumpffi)

ヒメカメレオンの仲間は、林床の落ち葉の上もしくは中に生息しています。英語では “Leaf Chameleon” と言います。Leaf(葉)と言っても緑色の元気な葉ではなく、落ち葉にそっくりです。登山道を歩きながら地面を観察していると、シュトゥンプフヒメカメレオンがいました。写真中央にいます。まるで落ち葉そっくりで、注意深く見ないと見逃してしまいます。体長は約 8 cm です。

背中のごつごつが、枯れ葉の葉脈そっくりです。私のレフ板の上に乗せてみるとこんな感じ。形はしっかりカメレオンですね。このカメレオンはマダガスカル北部に生息しています。

背中のアップ写真。腰のあたりに菱形に出っ張っているのが本種の特徴です。カスクのおかげで、多くのカメレオンは上から見ると帽子をかぶっているように見えますが、ヒメカメレオンの場合はカスクではなく目の上の出っ張りが目立ち、耳が生えているように見えます。トトロのような形をしています。


ツブヒメカメレオン(Brookesia tuberculata)

こちらはアンバー山国立公園で見たヒメカメレオンです。世界で最も小さいカメレオンの仲間で体長約 3 cm しかありません。地面の落ち葉の中に生息していますので、探すにはコツが必要です。アンバー山国立公園に行く際は、ガイドさんと一緒に探しましょう。

こんな可愛いカメレオンがたくさんいるマガダスカル。最高です!

このカメレオンについては、別記事にも書きましたのでそちらもご覧ください。


Brookesia dentata

マダガスカル北西部に生息するヒメカメレオンです。Brookesia minima に近縁な種らしいですが、あまり詳しいことはわかりません。体長約 2 cm とヒメカメレオンの中でも最小クラスです。落ち葉の中の小さな虫を食べているらしいです。

本種は1匹しか見ることができませんでした。ヒメカメレオンの中にもたくさん見られる種と、そうでない種がいるようです。この個体密度で、寿命1年でどうやって命をつないでいるのでしょうか。謎が多く、想像が膨らみます。


おわりに

マガダスカルに行ったら絶対に見ないといけないもの、それはヒメカメレオンの仲間です。世界中どこでもそうですが、経済発展に伴って自然環境が失われつつあります。ヒメカメレオンも人知れず消えていく運命にあるのかもしれません。そうなる前に自生地を訪れ、生きている姿をぜひ見に行ってください。観光の力も、もしかしたら保全に役立つかもしれません。

撮影機材:Sony α7 IV, SIGMA 24-70mm F2.8
現像ソフト:Adobe Lightroom
旅の手配:ARICS TOURS 黒川さん
観察時期:2024年1月

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