太陽のスペクトルを観察してみた|Sunscan 3Dモデルを使った自作分光器

(Photo & text Izumi)

太陽分光

太陽の光を分解すると、そこには連続した虹色のスペクトルと、無数の暗い吸収線が現れます。
今回は Sunscan が公開している3Dモデルをベースに、手元にあったCMOSセンサーと、できるだけ安価に入手できる光学部品を使って太陽分光器を自作し、実際に太陽のスペクトルを撮影してみました。


分光器の光学系

ざっくり説明すると、

太陽 → 主レンズ → スリット → コリメートレンズ→ 反射型回折格子 → 集光レンズ → CMOS

の順に光は進みます。

主レンズを使って、スリット面に太陽の像を写します。太陽の像の内、1ラインをスリットによって取り出し、これをコリメートレンズで平行光にします。平行光になった光は反射型回折格子にあたり、波長ごとに違う方向に飛びます。これを集光レンズで、CMOSセンサに結像させます。波長ごとに異なる方向に光が分けられているので、波長ごとにCMOSセンサ上の違う位置に結像します。CMOSセンサ上には波長ごとのラインが並ぶことになります。


分光器の作製

基本的にSunScanの分光器を踏襲していますが、コストダウンのために光学系を一部変えています。下記の表に記載した部品が変更点です。シグマ光機からリーズナブルアクロマティックレンズが売られていましたので、レンズ類はそちらを採用しました。その際、コリメートレンズはSanScanと同じ焦点距離のものがありませんでしたので、70mmを選択しました。それに伴い筐体内でのコリメートレンズの位置が変わるので、筐体の3Dを若干修正しています。またカメラは手元にあった ZWO ASI294MC を取り付けました。

役割Sunscan掲載品今回使用品
主レンズEdmund #32-917 (f=200mm)シグマ光機 DLB-25-200PM
コリメートEdmund #32-325 (f=75mm)シグマ光機 S-DLB-25-70PM
集光Edmund #32-327 (f=100mm)シグマ光機 S-DLB-25-100PM
ミラーEdmund #46-716シグマ光機 TFAN-1525R03-4
カメラOfficial Camera HQ (IMX477 sensor)
Raspberry Pi
ZWO ASI294MC

筐体は、この前までルアーを作っていたオレンジのABSで作りましたがこれは大失敗。太陽の光が透けて入ってきたので、黒スチレンボードと黒画用紙でカバーしました。


スペクトル画像

青から赤まで綺麗に写真を撮ることができました。3Dプリンターで作った筐体で、かつ目合わせ程度の光学調整にしては上出来です。

回折格子の角度を変えながら3回写真を撮り、下の写真のように1枚に並べてみました。下段の緑からオレンジに差し掛かったところにある2本の黒い線が、有名なD線でしょうか。Ca吸収線2本(589.6 nm, 589.0nm)がはっきり見えています。

画面中央はピントが合っていますが、左右に行くほどピンボケするような感じになりました。ちゃんと光学調整すれば、このあたりも改善すると思います。


今後の展望

太陽の吸収線が見えるところまできたので、次はスペクトル画像を得ることに挑戦します。いまの3Dプリンタの筐体ではちょっと光学調整しずらいので、筐体も含めて作り替えてしまおうかと思います。またソフトウェア面でも、得られた1ライン分のデータから太陽の2次元画像を計算するのが課題として残っています。市販のソフトを使うのがいいか、それともPythonとかでできるのか、試行錯誤してみます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました