コスタリカのフウキンチョウ

コスタリカは野鳥の楽園と呼ばれています。四国と九州を合わせた面積に約900種類もの鳥が暮らしています。日本が約600種ですから、その密度がいかに高いか想像つくでしょう。また国土の1/4が国立公園に指定されており、エコツーリズムが盛んです。長年の環境保護の成果もあってか、鳥があまり人を恐れません。
コスタリカの皆さんは鳥が本当に大好きなようで、お庭に餌代を置いているお家やホテルを見かけました。ハチドリにはハチドリ用の蜜餌がありましたし、ほかの小鳥にはバナナなどの果物が置いてありました。果物に集まる鳥のなかでもひときわ色とりどりなのが、フウキンチョウの仲間です。日本で言うスズメくらいのサイズ感。色どりでかわいい小鳥さんです。

チャガシラフウキンチョウ Bay-headed Tanager

「茶頭」と書きますが実際に見ると茶色というよりは赤色。お腹はかき氷のブルーハワイのような鮮やかな水色です。他にも首、背中部分に緑色や黄色が入る鮮やかな鳥です。森の中でもとても目立ちます。外的にも見つかりやすいように思いますが、どうしてこんな鮮やかな色に進化したのでしょうか。自然は不思議に満ちています。ごはんを食べた後、ふっくらまん丸になるのがかわいいです。(コスタリカ中部で撮影)


ギンノドフウキンチョウ Silver-throated Tanager

バナナの餌台に集まったギンノドフウキンチョウ。(コスタリカ中部)この種は雄雌で柄や色が同じです。10羽くらいいました。目の上の黒い模様が眉毛のように見えて愛らしいです。日本のシジュウカラの仲間と同じように、フウキンチョウの仲間も混群を作ります(混群:複数の種で作られた群れのこと)。写真左下に写っているのはキゴシミドリフウキンチョウで、この日は一緒に行動していました。


キゴシミドリフウキンチョウ Emerald Tanager

キゴシミドリフウキンチョウも雌雄同色です。全身ライム色で、目の横の黒い斑点が特徴的です。周囲の葉っぱの緑色に溶け込んでしまうので、森の中に入ると見つけずらい鳥ではあります。他のフウキンチョウと混群になるので、他のフウキンチョウを探しつつキゴシミドリフウキンチョウを探すのが良いです。


ベニエリフウキンチョウ Crimson-collared Tanager

頭の周りが赤色のフウキンチョウ。他のフウキンチョウより臆病なのか、あまり人前には出てきてくれませんでした。(コスタリカ中部)


キンズキンフウキンチョウ Golden-hooded Tanager

サンラモン(コスタリカ中部)での移動中、畑の木にいたフウキンチョウ。よく見ると巣が写っています。子育て中のつがいでしょうか。キンズキンフウキンチョウは、フウキンチョウだけでなくミツドリなど別の仲間の鳥とも混群を作ります。フウキンチョウの仲間では一番多く出会えました。


ナツフウキンチョウ Summer Tanager

コスタリカ中部にある鳥が好きな方のお庭にお邪魔しました。お庭に鳥の餌台が作ってあり、バナナに様々な鳥が集まっていました。ナツフウキンチョウは全身赤色なのですぐわかります。アメリカ南部からメキシコで繁殖し、9月から4月に越冬のためにコスタリカに飛来します。コスタリカからすれば冬鳥です。想像するにSummerという名前はアメリカから見たときの名前なのでしょう。


コシアカフウキンチョウ Scarlet-rumped Tanager

真っ黒な体に真っ赤なお尻のフウキンチョウ。太平洋側で観察しました。コスタリカはカリブ海側と太平洋側で生き物の種類が違います。カリブ海側から来た湿った空気はコスタリカ中部の山で雨を降らせ、乾燥した空気が太平洋側に流れます。コスタリカの西側は湿った森が多く、東側は乾燥した森が多いです。生き物もそれぞれの地域にあった種類が生息しています。


撮影機材

撮影機材:Sony α7 IV, FE 200-600mm F5.6-6.3
現像ソフト:Adobe Lightroom
旅の手配:さくらツーリスト
観察時期:2023年3月



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