(photo & text Izumi)
コスタリカの猛禽類、2回目はフクロウです。漢字で書くと「梟」。日本のいわゆるフクロウは、開けた農耕地にある見晴らしの良い木の頂点にとまっているのを見かけます。木の上のフクロウの死骸を置いて小鳥を脅したことから「梟」の漢字ができたとの説もありますが、私はフクロウが木の頂点に君臨している姿から「梟」という漢字ができたのではないかと思ってしまいます。
コスズメフクロウ(Central American Pygmy-Owl)
スズメフクロウは世界最小のフクロウの仲間です。コスタリカには3種いていずれも体長15cmです。350mLの缶くらいのサイズ感です。この3種は非常に似ていますが、生息地や羽の模様で見分けられます。コスズメフクロウはカリブ海側に生息しています。また頭の色がややグレーなのと、頭の白い斑点が楕円形ではなく点であることで見分けられます。トカゲや昆虫、ハチドリの雛などを食べます。スズメフクロウの周りをハチドリのお母さんが警戒して飛ぶ様子を見ました。
こちらは後ろを向いているところです。首は180度回転します。後ろ側も顔があるように見えます。Sony α7Ⅳ の顔認識機能でしっかり顔認識しました。
アカスズメフクロウ(Ferruginous Pygmy-Owl)
太平洋側に生息するスズメフクロウです。他のスズメフクロウと比べると全体的に赤茶色をしています。また頭に入る白い斑点が細長い楕円形をしています。写真は住宅街の中の木に巣を作ったアカスズメフクロウ。ガイドさんと一緒に夜に訪問しました。
スピックスコノハズク(Tropical Screech-Owl)
体長23cm。容姿が似ているのと生息域が被ることから、クーパーコノハズクとの見分けが難しい種です。スピックスコノハズクは顔の両サイドに黒い線が入ることで見分けられます。こちらの写真も住宅街の中で撮りました。住宅街に隣接する森で撮りました。人が住んでいる近くでも、身近にフクロウがいるのいいですね。
カンムリズク(Crested Owl)
体長41cm。白く大きな羽角(ミミズクの仲間が持つ1対の耳のような部分)が特徴的。カンムリズクの羽角は耳の方から目の方までつながっており、まるで眉毛のように見えます。西洋においては、フクロウは知性の象徴として描かれることがあります。この白眉によっていっそう賢そうに見えますね。主食は昆虫で、夜行性なので昼間は木にとまって寝ています。写真のカンムリズクは目が半開き。眠たそうです。小川近くのうっそうとした森の中で寝ていることが多いです。
メガネフクロウ(Spectacled Owl)
体長48cm。コスタリカ最大のフクロウです。こちらも夜行性なので昼間は寝ています。こちらも小川近くの森で寝ていることが多いです。水辺近くということで蚊が非常に多く、大量の蚊に襲われながら撮影しました。顔に白い X 模様が入るのが特徴です。写真右側が成鳥。写真左側がもうすぐ成鳥になりそうな若鳥です。若鳥は顔の周囲がふさふさの白い羽毛でおおわれています。大体5年で成鳥羽に代わります。右側の親鳥は熟睡しています。
シロクロヒナフクロウ(Black-and-White Owl)
体長38cm。首から腹部にかけて白、黒の縞模様が入るフクロウです。低地に生息することが多いですが、今回見た箇所はカリブ海側のやや標高の高い場所でした。木の高い位置にとまって、獲物を探していました。獲物を見つけて飛んだあとも、数分すると元の位置に戻ってきました。獲物を探すお気に入りの場所なのでしょう。一般的にシロクロヒナフクロウはお気に入りの定位置があると言われています。
撮影機材
今回の旅では、ガイドさんの案内でたくさんのフクロウを見ることができました。夜行性であること、見られる場所が住宅街の中だったりうっそうとした森の中だったり、見つけるのが大変難しいです。ガイドを依頼するのがよいです。
撮影機材:Sony α7 IV, FE 200-600mm F5.6-6.3
現像ソフト:Adobe Lightroom
旅の手配:さくらツーリスト
観察時期:2023年3月
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