2024年の渓流を振り返る

(photo & text Izumi)

今年の渓流を振り返る

3月の雪解けとともに解禁し、秋を感じ始める9月末に禁漁を迎えるネイティブトラウト。今年も安全に楽しむことができました。今までは関西近郊の渓流に行くことが多かったのですが、2024年は少し足を延ばして初場所、初めての魚に会えたのが嬉しかったです。渓流魚は地域で模様が全然違うので一期一会の出会いを楽しめます。夏でも渓流は涼しいですし、1 日コースの船釣りと違って 2 ~ 3 時間で手軽に楽しめる渓流は大変良いですね!

5月 島根のゴギ

私たちサラリーマン週末アングラーの渓流は5月から始まりました。5月は新緑が美しく、釣れなくても山を歩いているだけでわくわくする季節です。

島根県にいるイワナは「ゴギ」と呼ばれていて、頭まで白班模様が入るのが特徴です。

入渓した沢ではゴギらしい模様の魚をたくさん見ることができました。いつまでも在来の系統が残ってくれるとよいですね。

ゴギ釣行の詳しい様子はこちらの記事に書きました。ぜひこちらもご覧ください!


8月 佐渡のニッコウイワナ

驚くことに、佐渡島には大型哺乳類がいません。シカ、イノシシがいない!そのため、下草が多く渓流魚の餌となる虫も豊富です。これはいっぱい魚がいるのでは!?と想像して興奮するわたし。居ても立ってもいられなくなって佐渡島に行ってきました。下草が根絶された関西に住む私からすると夢のような響きです。クマの恐怖におびえずにすむのも良いですね。

さてそんな佐渡ですが、目星をつけた渓に入るとパラダイスが待っていました。1 つの窪みから何匹ものイワナが飛び出してきました。佐渡島は安山岩、流紋岩の白っぽい岩が多いので、イワナも白っぽい色をしています。

佐渡島はニッコウイワナの分布域です。ただこの島のニッコウイワナは、ゴギに似て頭の上まで模様が入る個体が多かったです。ゴギは斑点が独立している印象ですが、今回見た魚は隣り合う斑点がつながっていました。

こんな小さいイワナも釣れました。

半日で渓流に満足したので、あとは世界遺産になった金山を観光したり、野生のトキを観察したりして帰りました。また行きたい!


9月 奈良のハイブリッドイワナ

渓流シーズンも終盤。今年は全然渓流に行けていないなと思ったのと、ヤマトイワナの記事を読んで綺麗な個体を見たいなと思ったのと、それからBFSリールを運よく手に入れたこともあって、これはもう一度渓流に行かないと夏が終われないぞ、という気持ちになりました。

入渓した沢は、下流部にアマゴが多く、釣りあがっていくとあるところからイワナが増えます。それ自体は一般的な話ですが、石に注目するとより渓流が面白くなります。アマゴとイワナの生息域と地質図をよく見比べてみてください。地質の境界が生息域の境界だったりします。

奈良県にはキリクチイワナというヤマトイワナの系統がいますが、絶滅の危機に瀕しています。生息地の破壊、放流されたニッコウイワナとの交雑など理由は様々です。今回釣れたイワナは体全体に白色斑点があることからニッコウイワナの可能性が高いです。白色斑点も小さく、体色も周囲の岩石の色そっくりなので、在来のヤマトの血も混ざっているのではないかと推測します。もちろん保護区でもなんでもないところで釣りをしています。

横に大きく開く胸鰭、白いラインが入った腹鰭、臀鰭、この沢の魚は鰭がきれいです。いずれ純粋なキリクチイワナを見てみたいものです。


9月 長野のヤマトイワナ

ヤマトイワナを見たかったので長野県の木曽川水系へ。夜のうちに長野県に移動し、早朝から昼すぎまで釣行、夜には関西に戻るという弾丸釣行でした。往復650キロ。ヤマトイワナにはそうまでして会いたい魅力があります。

何と言ってもかっこいい。ニッコウのイワナのような白色斑点模様がなく(またはあっても薄い)、全体的に落ち着いたさび付いたような渋い色をしています。朱紅点がはっきり出るところも美しいです。

生息域は奈良県~長野県の太平洋側、静岡県の一部に限られており、まともに釣れるのは岐阜県、長野県くらいしかありません。ニッコウイワナのように放流されることも少なく、逆にヤマトの生息地にニッコウが放流され、生息地が脅かされています。非常にレアな魚なのです。

そんなヤマトを求めて木曽川水系の河川に入りました。

こちらは白色斑点が全くない個体です。背景に写っている石がやや黄色みを帯びています。風化した砂岩の多い沢ということもあり、この沢のイワナは黄色みが強いです。ヤマトにしては明るい色をしてます。またこの河川のヤマトのパーマーク(黒い大きめの斑点)はかなり独特で、普通は体側に横一列に並んでいる印象ですが、背中付近にもパーマークがあります。

こちらはその隣の河川で釣れたヤマトイワナです。黒っぽい混在岩が中心ということもあり、イワナも黒っぽい色をしています。

この河川には白色斑点を多く持つイワナもいました。放流されたニッコウイワナとの交雑種と思われます。こういうのを見ると残念だなと思います。


よく使ったタックル

今年よく使ったタックルはこちらです。ベイトフィネスリールを扱うのは初めてでしたが、 1 時間も練習すれば投げられるようになります。3.5g くらいまでは快適に投げられました。3g を切ってくると気を付けて投げないといけない印象です。ちなみに私はベイトリール苦手なタイプなので、うまい人が投げたら 2g でも投げれるのでしょう。

3.5g 以上のルアーですと、リュウキ45S、Dコンパクト45、ボトムノックスイマー35をよく使いました。いずれも良く釣れるルアーです。


スピニング

ロッドFine tail FTX-46/505UL
リール22 ステラ C3000SDH

ベイトフィネス

ロッドFine tail FTG-B42/485UL
リール23 カルカッタコンクエスト BFS XG

また来年の渓流シーズンが楽しみです。冬の間に管釣りで腕を磨いておきます!

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